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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

殺人出産

小説

 

殺人出産 (講談社文庫)

殺人出産 (講談社文庫)

 

 

 

〈感想 ▲〉

なんといってもインパクトのある表題作のタイトルと、妖しいジャケットに惹かれて手に取りました。

表題作「殺人出産」は、セックスと出産がイコールではない中で設けられた、10人出産すれば1人殺してもいいという「産み人」の制度が採用された世界の物語です。ちなみに男性でも人工の子宮をとりつければ産み人にはなれます。

一作目にしては飛ばしすぎなのではないかというくらいぶっ飛んだ話です。この「産み人」手続きを取らずに人を殺した場合どうなるかとかの設定がえげつない。

その産み人によって殺された「死に人」の描写もとても独特。システムが受容された世界でのことですが、どんな気分がするのでしょうか。

環が選ぶ死に人が誰かは、読みながらなんとなく察しがつきました。殺人の場面では極自然の流れと言わんばかりの淡さがあって印象的でした。

表題作のインパクトに持って行かれてしまってその後のエピソードはやや印象が薄くなってしまったのですが、どれも独特な匂いのようなものがありました。

生々しさはあるものの、どれも温いどころか冷たい、読んだあとは不思議な気分になる作品ばかりです。「コンビニ人間」も読みたくなりました。