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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

ここは神楽坂西洋館

小説

 

ここは神楽坂西洋館 (角川文庫)

ここは神楽坂西洋館 (角川文庫)

 

 

 

こちら「シュガーアップル・フェアリーテイル」シリーズの作家さんの作品です。

角川ビーンズ文庫より発行されているこのシリーズ、ファンタジックな世界観ながらもどこかシビアなところがあって大好きでしたが、今作もとても良かったです。

冒頭からいきなり厳しくてヒヤヒヤものでした……

 

小野泉は28歳のOL。契約社員として働いていた泉は結婚を機に仕事をやめ、新生活を始めようとしますが、婚約者がこれから住む予定だった部屋に浮気相手を連れ込み、キスしている場面に出くわしてしまいます。

婚約者には裏切られ、住む場所も失った泉は神楽坂西洋館という下宿屋に辿り着くものの、大家の藤江陽介はなんだか剣呑な雰囲気。

いきなり主人公が不憫でヒヤヒヤしました。一応この婚約者の弁解シーンは序盤にあるんですけど、あそこを読んで、ああこれはダメだと思いましたね。

 下宿には五部屋しかなく、みんなどこか訳ありな人物ばかり。個人的には一〇二号室のフランス語会話の講師であるセルビア人のミロシュが好きです。

住人たちと穏やかに関係を築いていく様子はとても微笑ましかったです。

最後は少女小説もかくやの糖度でした。強いて言うなら、最後の騒動がちょっとあっさり終わってしまっていました。