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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

あなたが愛した記憶

小説

 

あなたが愛した記憶 (集英社文庫)

あなたが愛した記憶 (集英社文庫)

 

 

 

恋愛ホラーサスペンスと銘打たれておりますが、あまりにも意外な結末らしいということで気になっていた作品です。

確かに猟奇っぽいけれど、ホラーと言われると……と途中までは首を傾げていました。

ファンタジー色の強いサスペンス小説、というのが私のこの作品に対する印象です。

 

物語はこの作品の主人公である曽根崎栄治が廃人のような状態で拘置所にいて、弁護士の佐伯という男に話しかけられている、というところから始まります。

両手の親指を切断した女性を拉致監禁、強姦、そして殺害というとんでもないシーンから始まり、やや引き気味になりながらも、娘と名乗る女子高生、村川民代が栄治と接触してからはすんなり入り込めました。

二時間サスペンスのようなノリで読んでいたものの、民代が飯盛の娘と遊ぶ場面で雰囲気が変わります。

ネタバレしすぎはよくないと思うのであまり詳しくは書きませんが、民代と飯盛の娘、そしてある殺人事件の犯人と思しき男にはある共通点がありました。

理屈云々抜きにしても、色々な凹凸が埋まる最後になっていて、よく作られた物語でした。

最後のオレンジジュースのくだりは、本当はこんな現実なんか嫌だと思ってわざとやったことなのだという可能性もあるのでは……と、私は勝手に想像しています。