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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

風待心中

小説

 

風待心中

風待心中

 

 

 

表と裏で一枚の繋がった絵になっている壮絶なジャケットです。

作者の方はといえば「月下上海」含めて、強い女性が出てくるカラッとした物語が多い印象だったのですが、今回は愛憎が入り乱れた物語です。

こういう世界も描かれるのかと驚く反面、元々こういう物語が好きなので、私は楽しく読みました。

 

早くに夫を亡くしたおせいの生きがいは、あまりにも出来の良すぎた我が子の真吉。おせいの心配は、性格も外見も申し分ない息子が妙な女に引っかからないかという点でした。そんな真吉が、ある時人殺しの罪で捕らえられてしまいます。

食べ物の細やかな描写には、やはり心惹かれるものがありますね。

嫌疑にかけられるのは中盤なのですが、前向きな展開になりそうでも、なんとなく落ち着かない気分で読んでしまいます。

女同士の争いに焦点が置かれるのかと思いきや、その周りの男達が悪い意味で曲者揃いで、女じゃなくて男のせいではと思ってしまう始末。

もとよりサスペンスを推理せずに読む人間なのでしっかり騙されましたが、下手人の招待を考えると、最後の種明かしですっきりしました。

あまり言うとネタバレにいうのでぼかしますけれど、やはりラストシーンには山口さんらしい、一種の爽快さがありました。