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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

カエルの楽園

小説

 

カエルの楽園

カエルの楽園

 

 

 

この著者でこの内容、とくれば少しニヤッとしてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

寓話的な雰囲気を含みつつ風刺はたっぷりな一冊です。

ところどころにカエルの挿絵がありますが、これも著者自ら描いているイラストだそうです。2ヶ月前に刊行された「鋼のメンタル」にもカエルのイラストがありました。

 

アマガエルのソクラテスとロベルトは数多の仲間を失った過酷な旅の後、三戒によって平和が守られているツチガエルの住む美しい国ナパージュに辿り着きます。

ソクラテスの見てきた世界に比べたら楽園にさえ思えるその国でしたが、子供であるオタマジャクシは年々減少、ひたすら謝り続ける謎の謝りソングが励行し、行き過ぎた保守的な考えが根付くおかしな場所でした。

ナパージュがどこの国をイメージしていて、ツチガエル達が頑ななまでに守ろうとする三戒は何なのか、それとなく察しがつく方が多いはず。

何も小難しいことは書かれていないのに非常に刺さる内容になっています。

ハンニバル兄弟の処遇などはさすがに行き過ぎではと思いますが、こんな残虐なことは起こらない、と思考を停止することそのものに警鐘を鳴らす内容なのかなと思います。

ソクラテスはナパージュのあり方に疑問を持っていますが、傍観者に徹していました。

最後の1シーンは衝撃的でしたし、ちょっと希望が無さ過ぎですね……

自分の頭で考える初歩の一冊として、オススメできるのではないかと思います。