読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

官能と少女

小説

 

官能と少女 (ハヤカワ文庫JA)

官能と少女 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

可愛らしいジャケットが目につきますが、これまた毒の強い一作。

少女主体の、少女の目線で紡がれる生々しい官能の物語と言った具合。描写は際どいというかアウトですが、官能小説とはまた違った趣き。

ジャケットのイラストに散りばめられたモチーフがそうさせるのか、軽く身構えてしまいましたけれど、これは身構えて正解でした。

 

「コンクパール」「春眠」をはじめとする6作が収録された短編集です。

少女ではない年齢の主人公もいますが、物語の世界が閉じているところに少女っぽさを感じます。

少女の性はこんなにひりひりするものだろうかと、読みながら考えてしまいました。人によっては物語ごとに刺さるものも違うと思います。

個人的に好きなのは「雪の水面」。幼い頃に誘拐されて売春用に育てられた少女の話です。少しでも俗世から離れてる感がないと読んでいて辛くなってくるんですよね。それでもやはり救いはないのですが……

「春眠」は最後の一ページが情感があって好きでしたが、まさかの続編がとんでもない形になっていて、非常に心が重くなりました。 

読後も鬱々とした気分が残るのでしょうが、おそらくこの本は、少女たちのほんの一瞬の煌めきを目当てに、いつか読み返すと思います。