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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

水妖記―ウンディーネ

西洋の文学

 

水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)

水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)

 

 

 

こちらはまったく種別の異なるものの異類婚礼譚といったところでしょうか。

数年前に読んだ文学少女シリーズの1冊を思い出しました。あのシリーズも大好きでした。

ヨーロッパに古くから伝わる民間伝承が題材……とありますね。この作品は前情報なしで読んだ方がより楽しめるような気がします。

 

騎士フルトブラントはある漁師の家に宿を求めるも、大水が起こり帰れなくなります。漁師の養子であるウンディーネと仲を深めていき、結婚を誓うも、町にはフルトブラントの帰りを待つ女性ベルタルダがいたのでした。

二人の関係はやがて決裂に至り、ウンディーネは水の中へと帰ってしまいます。

ここでフルトブラントはベルタルダとよりを戻すわけですが、フルトブラントの気持ちが分からなくもないのです。

夢の場面の最後と、フルトブラントが落命する場面は切なくも非常に美しく、印象に残りました。

今はやむにやまれぬ事情に共感しますが、もう少し若い時分に読んでいたら描写の美しさに惹かれていたように思います。

ウンディーネという単語だけは馴染みがあった本作、改めて読んでみて本当に良かったです。