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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

幸せ戦争

小説

 

幸せ戦争 (集英社文庫)

幸せ戦争 (集英社文庫)

 

 

 

「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」「上海恋茶館」など、好きな作品が多いこちらの作家さん。

今作はそれまでのイメージとはちがう、一般的な家族が主題の作品です。

近所の家族の付き合いに焦点が当てられるのですが、なかなか怖い話でした。

 

ある中古の一軒家に引っ越してきた氷見一家。近所に住む4軒の家との付き合いから見えてくる幸せの差は、まさに心の中で起こる戦争。

最初のエピソードが氷見一家の娘の麻衣花の母親、朝子が大人になり切れていない大人という典型的なタイプの嫌な母親で、この母親がぶっ壊しにかかるのかなと最初は思いました。

庭を共有してるというので、なおさら比較したがるというのでしょうか。陽平のインパクトもすごかったです。

嬉しい誤算でありながらも、終盤はまさに修羅場としかいいようのない応酬のれんぞくで、とてもひやひやしながら読みました。

ラストシーンは……またなんともいえない雰囲気ですね。平穏に行ければいいのですが。

もともと少女向けライトノベルを読んでいた頃から、作品に込められている毒気が好きだったので、それが前面に押し出されているこの作品も面白かったです。