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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

涙香迷宮

小説

 

涙香迷宮

涙香迷宮

 

 

 

いつも文庫本かソフトカバーの単行本が多めなので、重量はそれほどありませんが、重厚なハードカバーを読むのは久し振りのような気がします。

タイトルといろは唄による暗号ミステリ、というところに惹かれて読みました。

言葉によるミステリーというだけでなく連珠にも謎が仕込まれている、大変興味深いミステリーでした。

 

黒岩涙香は明治時代に思想家や作家として活躍した人物で、彼の隠れ家が発見されます。

そこには48首のいろは唄があり、天才棋士の牧野智久、ミステリ・ナイトの参加者であった武藤類子、黒岩涙香研究家の麻生徳司など、様々な人物が発掘に参加します。

そもそも黒岩涙香とは誰なのか、というような読者にも優しく、説明が多めです。

連珠のところは読みながらちょっとぼんやりしていましたが、参加者の人物像を追いつつ再読するとすっと読み込めました。

いろは唄に隠された暗号はやはり読んでいて楽しく、隠れ家内で起こる殺人事件の仕掛けも面白かったです。

幼稚園時代からひたすらあ行からわ行まで書いて練習し続けたことを思えば、源順集の「あめつち」のような日本の文化を感じさせるような学び方も、少しくらいは学校で教えてくれても良いのではと思いました。

私的にはミステリーというよりも日本語の美しさを再確認する作品として、楽しみながら読みました。