読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

少女奇譚 あたしたちは無敵

小説

 

少女奇譚 あたしたちは無敵

少女奇譚 あたしたちは無敵

 

 

 

なんとなくおどろおどろしいジャケットに惹かれて読みました。他にも華やかな花はたくさんあるのに菊というのが良いですね。

こちらは短編集で、表題作含む5篇が収録されています。

コックリさんなど、伝奇ものっぽさを含んでいる雰囲気もとても面白かったです。

 

収録されている作品は、表題作「あたしたちは無敵」も含めて少女達の非日常的な趣きを醸し出しています。

どの物語でも共通しているのが、全て唐突に終わるというところ。読みきった時の置いてけぼり感が多めで、最初の2篇くらいはこの感触に慣れませんでした。

しかし、3篇目の表題作あたりから、この終わりそのものが無垢でいられる少女時代の幕切れのように思えてきて、逆に正しく思えてきます。

「カワラケ」と「あたしたちは無敵」の2本が特に好きです。

「カワラケ」の方は最後あまりに唐突過ぎてしばらくハテナマークが浮かんでいましたが、読みきって落ち着くと母と娘の精神状態の落差に寒気がします。

「あたしたちは無敵」はあるものを見つけた三人の少女が、アニメの魔法少女のように戦う妄想に浸る過程も面白いのですが、少女達の着地点が惨くて凄いです。

この物語の中では、セリフ中の♡も違和感がありませんでした。

最後の「へっちゃらイーナちゃん」は書き下ろしとのことですが、終わり方が緩やかでとても良い幕の落とし方だと思える物語です。

あまり読まないタイプの作品でしたが興味深い世界を覗けました。