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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

虐殺器官

小説

 

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

7月半ばになってようやく、下期初の小説の感想です。

ベストSF2007に選出されている作品で、「ハーモニー」や「屍者の帝国」と同時期に知り、やっと読みました。

映画化予定の3作の中では一番敷居が高いように感じていたのですが、いざ読んでみると思った以上にシンプルな物語でした。

 

サラエボでの原子爆弾の爆発により世界は転機を迎え、 アメリカ情報軍の大尉クラヴィス・シェパードは、ことあるごとに現れる謎の人物ジョン・ポールを追う物語。タイトルの虐殺器官というのは、人間の残虐性を呼び起こす文法ということだそうです。

 「ハーモニー」同様、作者の哲学がベースにあるように思われるのですが、こういう世界観が好きなので、とてもハマるような物語でした。

映画化されるのがわかっていると、この場面を映像で見たいなと思える場面をつい探したりします。

特に終盤のクラヴィスとジョン・ポールの会話シーンがどのように描かれるのか、期待が高まります。

堅実なフィクションといった具合で好感触でした。

文庫の最後には、著者と円城塔さん、編集部の方のインタビューが収録されています。「謎があって人が死ねば、とりあえずはミステリ」は肝に銘じておきたいと思います。

「The Indifference Ending」も今年中に読みたいです。