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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

変身・断食芸人

西洋の文学

 

変身・断食芸人 (岩波文庫)

変身・断食芸人 (岩波文庫)

 

 

 

カフカは現在のチェコ出身のドイツ語作家(Wikipedia参照)。タイトル走っていても読んだことのない本でした。

この本には「変身」と「断食芸人」の二編が収録されています。

いざ読んでみると、これってこんな話だったのか! という驚きがあります。

 

「変身」は朝目が覚めたら巨大な毒虫になっていたという青年グレゴール・ザムザの物語。

大事なのはなぜ毒虫になってしまったかではなく、毒虫になったがゆえの生活のしづらさにあるというべきなのか、生きづらさが感じられます。

支配人とのやり取りを現代に当てはめるとなかなか辛いものが。

食事シーンの感じ方の違いも興味深かったです。輝かしい終わり方に感じるも、これでよかったのだろうかとちょっと首を傾げました。

「断食芸人」は、かつては断食を興行として行っている芸人の物語です。

かつては名を馳せていたものの、今では断食は流行らず、かといって他の芸にも転向出来ない苦悩がありありと伝わってきました。

芸人の死の間際の一言、なるほどなと思います。ましてや今は飽食の時代で、食うに困る有様というのは珍しいことになっています。

この作品が書かれた時代と現代の対比をしてみると、「変身」の毒虫は一体何に喩えられるのか、考えてみるのも面白いですね。