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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

涙を売られた少女

児童書

 

涙を売られた少女

涙を売られた少女

 

 

 

図書館の児童書コーナーで絵本を探していた時に見かけ、手に取った一冊です。

裏面のあらすじに惹かれて、一気に読んでしまいました。

同著者の「笑いを売った少年」の続編に当たる作品とのことですが、そちらは未読なので、こちらの作品に書かれていることのみ焦点を当てます。

 

舞台は、第二次世界大戦終戦からしばらく経った時代のドイツ、少女ネレは音楽プロディーサーのマックス・マイゼに才能を見出されてデビューし、大スターへの道を歩き始めます。

視点はボーイによるもので、ネレは他の大勢の登場人物達と同じ扱われ方です。

ネレの才能の開花から、周囲の人間達が色めきだって行く様子は、読んでいて不安になるほどでした。

序盤から感じられる不安感は物語が進むごとに増していく一方ですが、ネレを操ろうとしていた周囲の人間が後半では逆に翻弄されるようになり、そこにはほっとします。

涙を流せなかったネレが涙を流す描写は、感動的でしたがとても驚きました。

大きな変化とともに日常生活に戻っていく、という物語の展開は印象に残るものだなあと改めて再確認。

本作品は「百一日物語シリーズ」の一つとして訳者あとがきに挙げられているのですが、邦訳されている前作「笑いを売った少年」も機会があったら読みたいです。