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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

ヤマユリワラシ ―遠野供養絵異聞―

小説

 

ヤマユリワラシ ―遠野供養絵異聞― (ハヤカワ文庫JA)

ヤマユリワラシ ―遠野供養絵異聞― (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

今日は、ハヤカワ文庫よりファンタジー要素ある時代物の小説です。

ジャケットが目を引くような色合いでとても好きです。

あらすじを読んだ時に惹かれるものがあったので読んでみたのですが、心に響く良い作品でした。

 

外山市五郎は武士でありながらも絵を描くことを好む風変わりな青年で、兄の死に繋がる深紅の山百合を探しに山へ入ったところ、不思議な少女桂香に出会います。

一つ一つのエピソードが連ねられてつながっていく感じが良いのですが、それ以上に全体の雰囲気がとても優しかったです。

第二部の「ウツツエ」あたりから話の内容にのめり込んでいきました。

個人的に好きな場面は第三部の序盤です。桂香が現絵を描いてきてよかったと思う場面は感動的でした。

意外とファンタジー色が強く、結末も賛否両論ありそうな終わり方になっているのですが、私はどちらも好きです。

死に水を取る人が何者なのかはむしろその人で安心しました。

多くの登場人物が不幸だけど幸福で、温かいけどちょっと悲しく感じるような不思議な一作でした。