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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

鬼畜の家

小説

 

鬼畜の家 (講談社文庫)

鬼畜の家 (講談社文庫)

 

 

 

シンプルながらもすごいタイトルです。エログロホラーというよりかはミステリー作品。

半月ほど前に読んだ「殺人鬼フジコの衝動」のように、この作品もイヤミスに分類されるようですが、ベクトルが違ってこちらも面白いです。

読み始めてからすぐに語り口調の本文に引きこまれてしまいました。

 

保険金目当てで家族を殺害していく母親、しかし唯一生き残った末娘の北川由起名は、

元刑事の探偵である榊原に家族の件について調査を依頼します。

由起名は子供の頃に養子として出されているのですが、養子に出された先の家の金まで母親が狙っていたというのが分かるところで一気に物語のスケールが広がります。

事件を担当した刑事など、縁遠いところから埋まっていくのも面白いです。

総じて「なにかおかしい」ような空気を感じさせながら物語が進みます。

いかんせん推理小説は推理せずに読む人間なので、各人の回想をドラマ調に脳内再生して楽しんでいました。

母親、郁江も大分ですが、個人的に怖かったのは保険外交員のエピソードで登場する嫁も十分おっかなかったです。

終盤からは一気にこれまでの流れが覆される展開に。榊原が名前を呼び直す場面は思わず「えええ……」と言ってしまったほどでした。

謎がつながっていく過程は面白いのですが、良い人だと思っていたら実はな展開に加えて登場人物がほぼ全員悪人なイヤミスなので、読む時は注意が必要かもしれません。