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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

号外・少年の悲哀

日本の文学

 

号外/少年の悲哀―他六篇 (岩波文庫 緑 19-4)

号外/少年の悲哀―他六篇 (岩波文庫 緑 19-4)

 

 

 

当ブログでは初となる作者、国木田独歩です。

表題作をはじめとする短編が6篇収録されています。どれもシンプルな作品ばかりです。

付記には「独歩病床録」からの抜粋である執筆者自身の各作品に対するコメントが書かれています。こういうの大好きです。

 

ほとんどが十数ページほどでまとまった短い物語になっているので非常に読みやすいです。

短いページの中で物語が覆ることがないので、その点では安心して読むことが出来ますが、救いが無い作品もちらほら見受けられました。

収録されている作品の中で最も好きなのは「春の鳥」。

他の作品はどことなく乾いた印象を受けながら読んでいたのに対し、白痴の少年である六蔵を書いたこの作品は、六蔵の死にとても心を揺さぶられました。

母親が子どもに対して「死んだほうが幸せ」と言うのは並大抵のことではないと思います。

解説および付記にはモデルとなった少年について書かれていました。

他にも「少年の悲哀」が哀切感が感じられて好きです。どちらも女性の姿が心に残る作品でした。

国木田独歩は何となく敬遠していた作家の一人なのですが、いざ読んでみると、良い意味で想像していたのとはまた違う雰囲気が感じられてとても良かったです。