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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

ブランコ乗りのサン=テグジュペリ

小説

 

 

 

紅玉いづきさんといえば、昔「ミミズクと夜の王」を読んでとても感動した作家さんです。

この作品は読んでいてとても懐かしさを感じました。

表向きは華々しいけど裏は今にも崩れそうなほど脆い、少女の危うさがとても綺麗な作品でした。

 

天災から復興するべく湾岸地域には大規模なカジノが作られ、曲芸学校をトップで卒業した者のみが団員になれる少女サーカスがあります。

物語の主人公は少女サーカスの団員達で、タイトルでもある「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」のほか、「猛獣使いカフカ」「歌姫アンデルセン」のエピソードがあります。

表題作は、8代目サン=テグジュペリこと涙海が練習中に大怪我をしてしまったため、双子の妹の愛涙が代わりに舞台に立つ物語です。

三つに分かれていて最後が涙雨の物語。インパクトのあるラストでした。涙雨の葛藤や最後の決断、素晴らしかったです。

カフカアンデルセンは表題作の中にも登場しているので、物語に入りやすかったです。

学校生活のパートは独特な雰囲気が感じ取れました。一番好きなキャラクターはチャペックかもしれません。

三つの物語はどれも切なさを感じる終わり方をしますが、一つながりの作品として読むととても沁みます。