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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

絵本 化鳥

日本の文学

 

絵本 化鳥

絵本 化鳥

 

 

 

文学の一連のカテゴリは岩波文庫等から持ってくることが多いですが、たまには違う形のアプローチも良いのではと思い、絵本を。

表紙は白く、題字は銀で箔押されていますが、鳥の翼が描かれています。

泉鏡花らしい、おどろおどろしくも幻想的な世界観を楽しむことのできる1冊でした。

 

主人公の少年、廉は、母とともに橋銭によって生計を立てています。

町へ出ていくためにはこの橋を渡らなければならず、毎日百〜二百人の人通りがあるのですが、猿渡しの猿をからかったころ川に転落してしまい、美しい翼を持った女性に助けられる……というエピソードです。

巻末には文章だけの原作が掲載されているので、私は文章のみを先に読んで最初に戻って絵本……という順場に進みました。

どの絵も配色が鮮やかで、ページをめくる度にドキッとします。

廉が翼に抱かれて空を飛ぶ場面や、翼を持った女性を探す時に見つけた烏や鷺が描かれた場面など、とても素敵です。

終盤、母が廉を背後から抱きしめる絵は感激しました。

文章だけの文学作品はどのような映像が流れているのかを一から想像しなければなりませんが、絵本は更に詳細に思い浮かべられて楽しいですね。

漢字には全てルビが振られていますし、早ければ小学校高学年から、おとなになっても楽しめる1冊になっています。