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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

水光舎四季

小説

 

水光舎四季 (徳間文庫 い 65-1)

水光舎四季 (徳間文庫 い 65-1)

 

 

 

ふんわりとした優しいジャケットに惹かれて手に取りました。

ジャケットの印象そのままの温かい雰囲気に包まれているような、とても優しい1冊でした。

全ての季節でメインとなる仕事が違うというのも良かったです。

 

舞台は水光舎、ちょっと不思議な能力をもった少年少女が18歳になるまで3ヶ月間過ごすという寄宿舎です。

それぞれ不思議な能力に見合った名前があり、庭師や霊能者等が登場します。

3ヶ月間=一つの季節分いるので、自分が担当する季節名を名乗り、班長を担った生徒は「ジョーカー」と呼ばれる試練を発動させて班員を困難な目に遭わせることが出来る、という世界です。

特殊な能力もささやかなもので、ともすれば自分の勘違いなのではと感じるようなものもあるのですが、そのあたりは均整が取れていました。

一番好きなのは「サマー・スクール」。本来なら春を担うはずの画家の少女、真澄が、同じく画家で憧れの相手である夏の少年に会うため水光舎にとどまるというエピソードです。

萩生と李一の会話がとても胸に響きました。

箱庭のような美しい世界観で紡がれる繊細な物語です。

本作に登場する役職は四つのみですが、他にもたくさんあるようなので、出来れば続編を……と思います。