読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

夜叉ヶ池 天守物語

日本の文学

 

夜叉ヶ池・天守物語 (岩波文庫)

夜叉ヶ池・天守物語 (岩波文庫)

 

 

 

ブログでは書きませんでしたが、先月「海神別荘」を読んでから気になっていた泉鏡花の作品です。

「夜叉ヶ池」と「天守物語」の二篇が収録されています。

いずれも戯曲。どちらもそれほど長くなく読みやすかったです。

 

「夜叉ヶ池」は龍神が封じ込められているという夜叉ヶ池で、昔からの言い伝えを守り三度の鐘撞きを守るものの、その言い伝えが破られ……という話です。

クライマックスの追い上げが鮮やかです。舞台で見たらとても迫力があるんでしょうね。

幻想的でありながら、人間の汚さみたいなものが垣間見れます。

天守物語」はある城の天守に住む富姫と呼ばれる妖怪と、姫川図書之助という鷹匠の物語です。

「夜叉ヶ池」の後に読んだのでこちらも悲しい結末かしら……と思いましたが、「天守物語」はそれほど暗すぎない話で良かったです。

どちらの作品も女性の登場人物が非常に艶っぽくて気品があります。

富姫と図書之助が盲た後の会話は非常にぐっとくるものがありました。

全体的な雰囲気は「天守物語」の方が好きだけれど、バッドエンドとかメリーバッドエンドが好きな私は「夜叉ケ池」のラストがとても好きです。