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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

メタモルフォシス

小説

 

メタモルフォシス (新潮文庫)

メタモルフォシス (新潮文庫)

 

 

 

なにげにSMが主題として扱われている作品を読むのは初めてだったりします。

主人公はクラブの女王様にかしずく奴隷の方。現実でも馴染みのない世界はファンタジーに感じます。

こういう開けてはいけない扉を開くような読書の仕方は何冊読んでも良いものです。

 

表題作「メタモルフォシス」と「トーキョーの調教」の2編が収録されています。

「メタモルフォシス」は、昼間はまじめに働く証券マンが実は真性のマゾヒストで、日々より過酷なプレイを求めているという作品です。

この段階で、登場人物に感情移入して読むタイプの作品でないことは明らかです。

これがなかなかきつい内容になっているのですが、描写が洗練されていて無駄がないので読むのがまったく苦になりません。

SMの描写はえげつないですが、サトウが証券マンとして働いている時に入る女性社員の描写を見ていると、何が本当に汚いと言えるのか分からなくなってきます。

女王様に調教「していただいた」と、リスペクトを決して忘れないサトウの姿勢に中盤以降は関心しました。

「メタモルフォシス」と比べると「トーキョーの調教」の方があっさりしていました。

この作品の主人公カトウは、まだ自分がSとMどちらなのかがよく分かっていませんが、すぐに奴隷として覚醒。

ひたすらSMプレイの描写が続いた表題作よりもストーリーっぽさがありました。

終盤の武内愛子の試験シーンは手に汗握りました。久しぶりに本を読んで緊張したと思います。

この本は解説も面白かったです。「スクラップ・アンド・ビルド」も読みたいです。