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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

聖女の島

小説
聖女の島 (講談社文庫)

聖女の島 (講談社文庫)

 

 

 

読む前はジャケットを見ても特に何も感じなかったものの、読み切ると実に内容にあった良い表紙だと思います。

最初にこの作品が発表されたのは1988年とのこと。私が生まれる前です。

当初想像していたのとはまったく違う方向に話が進んでいき、最後はいわゆる生きている人間が一番怖いタイプのホラーでした。

 

廃墟が林立する孤島には修道会が作った非行少女の矯正施設があり、過去の惨劇の影に怯える修道女や偽の父母がそこを管理していたが、本部から一人の修道女が派遣されてくるという物語。

本部から派遣されてくる修道女が主役かとおもいきやなんとも得体のしれない感じで、半分ほど読んでもあまり物語に入り込めない自分がいました。

その過去の惨劇によって3人の子どもが亡くなり今は28人のはずなのに、何度数え直しても31人いるという設定から見えないものがいる系のホラーと考えていましたが、まったくそんなこともありませんでした。

31人の少女についても詳しく語られるのは片手で数えられるほどで、ここが視点はあくまで管理者にあるという雰囲気があって良いです。

面白いのは後半で、前半で疑問だった点が解明されていきます。

読み始めた頃は藍子(施設を管理している修道女)が鬱陶しく感じたものの、前半で主人公だと思われた修道女の方がよほど怖かったです。

「性格というのは、人間が負わされた十字架ですわ。そうじゃありませんこと」のセリフにギクッとしました。

読み返して二度楽しむタイプの本だと思いますので、もう一度読んでみたいです。