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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

邪剣始末

小説

 

邪剣始末 (文春文庫)

邪剣始末 (文春文庫)

 

 

 

こちらは山口恵以子さんの「月下上海」以前の作品になります。

四振の邪剣を探しだして使い手と戦うという、冒険活劇のような筋書きとなっています。

「恋形見」といい、なぜこの方が書く時代小説の主人公はかっこいいのでしょう。

 

おれんは刀匠であり義父の呉羽暁斎の遺言に従い、呪いのこもった邪剣を偶然助けた辰巳屋文三とともに始末して回るというストーリーです。

しかし邪剣といえども、それぞれの持ち主の心情を考えるとあながちそうとも言いきれないのではないようなものばかりでした。

大きなどんでん返しはなく安定感のあるエピソードです。

どの章もラストが綺麗で、一章目の「妖刀」の最後はドラマのラストシーンのようにわくわくします。

一番好きなのは四章の「片見月」。最後で泣かせてくるかとおもいきや非常にからっとした終わり方ですっきりします。

おれんの「蓮」に対する解釈も素敵でした。あれは愛がなければ書けないと思います。

おれんはさんさんと輝く女性というより、何となく陰のあるような雰囲気があるのですが、そこも含めてかっこ良かったです。

読了後にすっきりしたい時に読むと良い作品です。