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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

三文オペラ

西洋の文学

 

三文オペラ (岩波文庫)

三文オペラ (岩波文庫)

 

 

 

ドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトの1作。演劇の初演は1928年のことだそうです。

「三文」という語が取るに足らない感じを出していてより良いです。

結末が酷いということで有名な作品だと思われますが、私はこの皮肉げなラストが好きです。

 

舞台はロンドン、どすのメッキーと呼ばれるマク匕ィスが惚れたのは「乞食の友」という店を営む乞食達の元締めピーチャムの娘のポリーで、ピーチャムがポリーをマクヒィスから引き離すために逮捕を企てる物語です。

まさに首を括られようとするその時に突然女王の使者がやってきて、大金や城を貰い受けるというとんでもない結末になります。

元はイギリスのジョン・ゲイの「乞食のオペラ」を改作したものであるそう。

最初に目につくのは、文学というある意味高尚な響きからは縁遠い、文体から漂う行儀の悪さ。

話自体は決して難しいことを言おうとしているわけではないのに、なんだかいろいろと考えてしまうような作品です。

しかし読みながら「そもそも幸せって何だろう」とか考え始めたところで、シリアの「こんな風にしまいにはきっとしあわせになれるんだよ」ですからね。

岩波文庫版の表紙には「『裕福に暮す奴だけが安楽に生きられる』社会を徹底的に批判した」と書いてありますが、およそ100年ほど前でも、案外人間の中身は変わっていないのかなとちょっとほっとするところもありました。

この作品に惹かれるのは、社会の秩序とかありきたりな幸福に唾を吐くようなところがあるからだと思います。