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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

ヒトリコ

小説

 

ヒトリコ

ヒトリコ

 

 

 

「屋上のウィンドノーツ」につづいて2冊めです。

テーマ的にもともとこういう話が好きなのでこちらのほうが楽しく読めました。

表紙の印象がなんだか儚い感じがして好きなのですが、中身はなかなか重々しい感じでした。

 

日都子はいじめを経て一人で生きることを決め、頼れる相手はキュー婆さん一人、いじめの発端となった人物によって心をひらいていくというストーリー。

このいじめの発端となった人物である海老澤冬希は加害者でも悪者でも何でもなく、母親が問題あるという点がありますが至って良い人。

金魚の一件といい合唱コンクールといい、田舎感があります。

色々な人物の視点があって面白かったです。日都子のちょっと達観したようなところは読んでいて爽快でした。

作者さんが若いからなのか描写は大分子供の方に寄っていて、大人の書き方が、少々滑稽に感じました。

さすがに冬希の母親が鶏の入ったビニール袋を放り投げるシーンは笑ってしまいましたが。

個人的に好きな場面は、明仁の「好きだったんです」。その後の場面が切ないです。

片岡が合唱コンクールの一件で高校を推薦で受けられなくなったりと、意外と細かいところもしっかりしています。

全体的に暗い話ではありますし、古傷をえぐってくるようなところもあるのですが、最後に救いの見える物語で読後感は良かったです。

そういえばどちらの作品もささやかなところで甘太郎焼が登場しますが、作者さんの好物なのでしょうか。