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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

トンコ

小説

 

トンコ (角川ホラー文庫)

トンコ (角川ホラー文庫)

 

 

 

ジャケットの豚がなんだかかわいらしく感じます。

しかしレーベルは角川ホラー文庫、表題作を読み始めてすぐにジャケットがかわいいなどとは言っていられなくなります。

直球で怖い話というより不快さを煽ってくるような内容でした。

 

収録されている作品は「トンコ」「ぞんび団地」「黙契」の3作品。

表題作「トンコ」の主人公は養豚場の豚で、交通事故に遭いトラックから脱走する話です。

表現は汚らしいもののなかなか愛嬌があります。逆に人間が気持ち悪い。

生姜焼きのくだりは思わず「うわっ……」となりました。たまたまたどり着いた脱走先のコンビニで、こんな形の仲間と再会するとは。

「ぞんび団地」は児童書のような語り口で、主役もぞんびになりたい子ども。

悲惨な家庭環境のあっちゃんがぞんびになりたくてこっくりさんに頼るという、ともすれば子ども向けの話になりかねないようなものなのですが、薄ら寒さを感じるホラーでした。

一番ホラーな作品と思ったのは3作目の「黙契」。

自殺から10日間見つけられずにいた妹、真相を探る兄という点、前の2作品がホラーとして読むにはやや婉曲な内容だったのでよりそう思ったのかもしれません。

梁を見上げる場面が物語の中間くらいで、ここまで来てまだ先が! と背中が寒くなりましたが、はラストシーンがとても綺麗に終わっていて、好みでした。

どれもなかなかグロくて強烈な印象のある作品です。