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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

うれしい悲鳴をあげてくれ

エッセイ

 

うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

 

 

 

カテゴリは小説なのかエッセイなのか迷います。なぜなら両方収録されているから。

著者のいしわたり淳治さんはSUPER CARというバンドのギタリストでして、2005年にバンドが解散してからは作詞家やプロデューサーとして活躍しているとのことです(Wikipedia参照)。

小説家でない方の小説というのもたまにはいいなと思いましたが、私にはエッセイのほうが合っていました。

 

話はすべてショートショートで、小説→エッセイ→小説→エッセイと数篇ずつ区切られていました。

まず小説の方なのですが、「共通の敵」「うれしい悲鳴」が面白かったです。

ぶっ飛んだ話は、おそらく作家であれば何となく踏みとどまってしまいそうなところを大股で通り過ぎていくようなところがあるので面白いのだと思います。

全体的に何となく異質な内容ですが、堅苦しい文章で書かれたら一層シュールな内容になるでしょうし、良いさじ加減でした。

エッセイは小説の方と続けて読めるノリで展開されます。

しかしエッセイの内容はほっこりできるものだったり、改めて考えさせられる内容だったりと多彩です。

特に印象的だったのが「第一印象を終わらせろ」。

私が早食いなところがあるのでドキッとしました。でも人間は、最初の口に入れた時の味の印象に惑わされてしまうのかもしれません。

「笑ってはいけない温泉宿」はいかにもエッセイという軽い内容でくすっとしましたし、「銀色の鍋」はぐっとくる内容。

小説もエッセイも、どの話を読んでも何となく口角が上がってしまうのです。

それは単純に面白くて笑っているだけだったりシニカルな笑みだったりするのですが、この文章に飲み込まれる感じ、意外と良いものですね。