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無量一読

わりとなんでも読む読書中心の感想ブログ。

人間失格 グッド・バイ

日本の文学

 

人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫)

人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫)

 

 

 

人間失格」は言わずもがな太宰治の代表作です。

私自身も「恥の多い生涯を送ってきました」の一文に思わず同意してしまうようなところがあり、どうしても共感してしまう部分があったりします。

人間失格」の他に「グッド・バイ」と「如是我聞」が収録されています。今回は初読みの「グッド・バイ」を中心に書きます。

 

人間失格」は自分を欺き続けてきた葉蔵が主人公です。

冒頭でこれでもかというほど道化ぶりが露呈するのですが、ここが非常に現代的で面白いと思います。

少数派であっても、そこまで珍しいとは言い切れない人生に感じるのに、何が特別視させるのか考えこんでしまいます。

この作品は体力がある時に読むのが一番ですね。

「如是我聞」はまさに心中する際に連載していた作品です。が、志賀直哉を詳しく知らないため残念ながらぴんとこず。

「グッド・バイ」は「人間失格」とは違ってコミカルな内容になっています。これは面白かった。

あまりにも女性関係の幅を広げすぎて首が回らなくなった田島はキヌ子という女性の助けを得て女関係に終止符を打とうとするものの、このキヌ子が曲者でした。

田島のキヌ子に対する変わり様が面白いです。なぜ同じ1冊に収録したのか不思議になってくるような笑える話です。

惜しむらくはこれが未完であるというところ。何とも言いがたい絶妙なところで途切れています。

長らく太宰治=暗いという印象で来たので意外な作品でした。

近代日本文学でこういう今のエンタメに近いコメディ系の話が他にあったら、読んでみたいなと思います。